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2023年8月27日11 分

ヴィーガン料理は未来を救う!健康と地球環境のためになる理由とは?

最終更新: 2023年11月28日

近年は、ヴィーガン料理のレシピをあちこちでメニューにするようになりました。

ヴィーガンではない人もヴィーガン料理に触れる機会が増えたのです。

ヴィーガン料理はもはや、ごく一部の人たちだけのメニューではありません。

そこで知りたいのがヴィーガン料理のメリットです。

逆に、デメリットもあるのでしょうか?

定義やアイデアも含めて、ヴィーガン料理について解説します。

世界に広がるヴィーガン、その割合は?

実際にヴィーガンとなった人たちは、全人口のどれくらいを占めるのでしょうか?

ヴィーガン協会(The Vegan Society)の統計を見てみましょう。(※1)

ヴィーガンという言葉の検索が多い国は、英国とドイツ。2国のヴィーガンの割合はどのくらいあるのでしょうか?

アメリカや日本の人口に占めるヴィーガンの割合と比較してみましょう。

  • 英国 2~3%

  • ドイツ 2.9%

  • アメリカ 3%

  • 日本 2.2%

数字を見れば、人口に占める割合はごくわずかです。しかしヴィーガン協会のサイトでは、この数字が近年急増していると報告されています。また、ヴィーガン人口が増えているだけではなく、ヴィーガンに関連するビジネスも活発化しています。

その理由は、ヴィーガンミルクやヴィーガン料理を食生活に取り入れる人が多いためとされているのです。

つまり完全にヴィーガンにならなくても、健康の一環としてヴィーガン料理を導入する人の数が急増しているというわけです。

ヴィーガン料理の定義とは?

ヴィーガンという言葉がブームとなった昨今ですが、ヴィーガン料理のイメージが曖昧な方もいると思いますので、ヴィーガン料理の定義をここで解説します。

ヴィーガンとは?

「肉や魚、卵を食べないだけではなく、牛乳や乳製品、はちみつなど、動物由来のものを口にしない人」(※2)

とのことです。

実践するのが難しそうな定義ですが、最近はヴィーガンのメニューやレシピが増え、レストランなどでも美味しいヴィーガン料理を提供するところが増えてきました。

ヴィーガンとベジタリアンの違い

ヴィーガンとベジタリアン。

いったいどこが違うのかと混乱するかもしれません。実はヴィーガンは、ベジタリアンのタイプのひとつなのです。

ベジタリアンには、次のようなカテゴリーが存在します。(※2)

  • ヴィーガン(完全採食)

  • ラクト・ベジタリアン(乳菜食)

  • ラクト・オボ・ベジタリアン(乳卵菜食)

  • ペスコ・ベジタリアン(魚乳卵菜食)

  • ポーヨー・ベジタリアン(鶏魚乳卵菜食)

つまりヴィーガンとは、ベジタリアンのなかでも動物由来のものを食べない、最も厳格なベジタリアンといえます。

アカデミー賞もオリンピックも!肉食を敬遠する動きが

飽食に慣れた現代人は、「まさかお肉を食べないなんて!」と思う方も多いことでしょう。

しかしヴィーガンは現在、人間と地球を救う可能性のある食として、公的な場でも注目されるようになりました。

たとえば2020年、アカデミー賞にノミネートされた人々が集う昼食会には、100%ヴィーガン料理が提供されて話題になりました。

またゴールデン・グローヴ賞でも、ヴィーガン料理が登場して大いに注目されました。

キャメロン・ディアスやポール・マッカトニーなどのセレブリティは、ベジタリアンだといわれています。またベテラン俳優ホアキン・フェニックスは、ヴィーガンとして知られているのです。(※2)

肉食を敬遠する動きは、オリンピックにも及んでいます。

2024年にパリで開催されるオリンピックは、SDGsを意識した運営方針が発表されています。

プラスチックボトルに入ったドリンクの販売が規制されるほか、肉を使ったメニューは提供しないといったニュースも伝えられています。(※3)

また機内食に「ヴィーガンメニュー」を登場させた航空会社があるほか、欧米のレストランにはメニューに「V」の記載をして、ヴィーガン料理を定番化する動きも顕著です。

ヴィーガン料理は確実に、日常生活の中に浸透しつつあります。

洋食と和食、ヴィーガン料理はどうやって食べる?

ヴィーガン料理の定義を見ていると、実際に調理するのは難しそうなイメージがあります。

しかしご心配は無用。

ヴィーガン料理は、コツさえつかんでしまえば、より豊かな食を楽しむことが可能なのです。

洋食和食、それぞれの方法でヴィーガン料理を作る場合のコツを紹介します。

洋食のヴィーガン、美味しく作るために

洋食のヴィーガン料理を美味しくするためには、次のポイントを押さえてみるとよいでしょう。

・食感や味わいに特徴がある食材を選ぶ

ヒヨコマメやキヌア、野菜のピューレやシリアルなど、料理にアクセントがつく食材を選ぶと、レシピのバリエーションが豊かになります。

・ハーブとスパイスを活用する

食材の臭み対策で使われるハーブやスパイスは、ヴィーガン料理を作る場合も豊かな味を演出してくれる大事な要素。バジルやミントといった定番以外にも、フェンネルやコリアンダーにぜひトライしてみてください。スパイスも種類が豊富です。

さまざまなタイプを使い分けて、ヴィーガン料理に活用してみてください。

・オイルを上手に使う

ヴィーガン料理にボリュームを求める人は、ぜひオイルを上手に使ってみましょう。

炒めたり揚げたりオイルを使った調理法で、ヴィーガン料理にパワーが加わります。

オリーブオイルやアルガンオイルを、料理の最後にさっと加えて香りを楽しむのも乙です。

・お酢やかんきつ類でメリハリをつける

味が単調になりがちなヴィーガン料理、お酢やかんきつ類の酸味は、味にキレを与えてくれます。ヴィネガーと呼ばれることも多いお酢、ワインヴィネガーやアップルヴィネガー、バルサミコ酢など、特徴を生かすと味わいもワンランクアップ。

レモンやライム、オレンジを使うと、清涼感も出ます。

和食のヴィーガン、美味しく食べるために

日本には精進料理というベジタリアンスタイルがありますが、その一部はヴィーガンです。

美味しいヴィーガンの和食を作るためには、どんな工夫ができるでしょうか。

・多彩なヴィーガン食材を駆使してシンプルに

ヴィーガンを和食に実践することは、難しくありません。

お醤油や味噌、豆腐や納豆など、日常的に私たちが口にしているものはヴィーガン食材。

動物性由来の食材を削除し、化学調味料を使わなくても、旬の野菜と自宅にある食材で、じゅうぶんに美味しいヴィーガン料理を作ることもできます。

麹や漬物などの食材は、実は世界の一流シェフたちも注目するほどヘルシーで美味しいヴィーガンの素です。

そう、和食は本来、ヴィーガン要素が多いのが特徴。

今日からでも始められるのが嬉しいところです。

・雑穀を活用する

最近脚光を浴びているヒエやアワなどの雑穀も、ヴィーガンの和食に活用してみましょう。

日本は古来、数多くの雑穀を食してきた歴史があります。

健康ブームに乗って市場で見ることが多くなった雑穀は、栄養面でもメリットが多い食材。

ヒエやアワなど、上手に使えばフレッシュな食感や味をヴィーガン料理に活用できます。

増えるヴィーガンのレシピ

ヴィーガン料理を自宅で作るのに躊躇してしまう場合は、外食でその味を体感するのも手です。

日本でもベジタリアンやヴィーガンのメニューを提供するレストランが増えていますが、欧米では前菜からデザートにいたるまで、豊富なヴィーガン料理を目にするのがもはや通常となっています。

実際にこうした料理を口にして、アイデアを具体化してみるのはどうでしょうか。

朝食のクロワッサンもヴィーガンタイプがありますし、美味しいデザートもヴィーガンで作ることができます。

ヴィーガンに特化したサイトや書籍を参考に、ぜひヴィーガン料理にトライしてみてください。

★G-veggieのヴィーガンレシピ集

ヴィーガン料理、メリットとデメリット

ヴィーガンの人が人口に占める割合は大きくありませんが、ヴィーガン料理を日常の食卓に乗せる人は急激に増えました。

いわゆるフレキシブルにヴィーガン料理を楽しむ人が多いことは、ヴィーガン協会の報告でも明確です。

日本では「ゆるベジ」なんて可愛い言葉で表現されていますね。

それほど人々を惹きつけるヴィーガン料理には、どんなメリットがあるのでしょうか?

ヴィーガン料理を食べる場合に、気をつけなくてはいけない点はなんでしょうか?

ヴィーガン料理のメリットとデメリットをまとめます。

ヴィーガン料理のメリット

ヴィーガン料理を食べるメリットはたくさんあります。重要なポイントをまとめてみました。

・生活習慣病を予防できる

ハーバード大学公衆衛生学部の研究では、こんな結果が出ています。

37,000人のアメリカ人の食事を分析して、お肉によって摂取するカロリーの5%を植物由来のタンパク質に置き換えたところ、糖尿病や心血管系の病気のリスクが軽減したという結果が出たのです。(※4)

赤肉が原因となるガンの予防につながる可能性もあり、欧米ではヴィーガン料理の注目度が高まっているわけです。

・健康維持のための野菜をより多く摂取できる

育ちざかりがいる家庭では、どうしても肉食に偏りがちです。

ところが厚生労働省は、より多くの野菜の摂取を喚起しているのをご存じでしょうか。(※5)

  • 健康を維持するために理想的な野菜の摂取量は、1日350g。

  • 日本人の平均野菜摂取量は、男性が290g、女性が270g。

ヴィーガン料理を用いて意識して野菜を摂取することで、健康的な生活を維持できる可能性が高くなります。

・SDGsに貢献できる

FAO(国連食糧農業機関)の報告によれば、地球温暖化の要因となっている温室効果ガスの排出量のうち、約15%は牛や豚の家畜が排出するメタンガス(げっぷやおなら)という結果が出ています。(※6)

私たちが日々、安価でボリューミーなお肉料理に頼ってしまうのは、供給量が豊富であるためです。

それらの家畜を飼育するために、餌の栽培地や水、エネルギー資源が大量に消費されているのです。つまり誰もが肌で感じている地球の環境の変化は、肉食がひとつの要因となっているわけです。

いっぽう、お肉と同じようにタンパク質の供給源である大豆は、栽培するための水量や土地も、家畜の飼育よりずっと少なくてすむのだそうです。

地球温暖化はもはや、将来だけの問題ではなく、現在を生きる私たちを直撃している事象です。

常識ある現代人として、食卓からこの問題と向き合う必要があります。ヴィーガン料理は、その一環として非常に有益なのです。

ヴィーガン料理のデメリット

健康にも環境にも一役買ってくれるヴィーガン料理ですが、デメリットもあります。

ヴィーガン料理を食べる場合に気をつけるポイントを見てみましょう。

・ダイエットにならないこともある

ヴィーガン料理はカロリーが低く、ダイエットに役立ちそうなイメージがあります。

実際には、オイルをたくさん使ったり、カロリーの高いナッツや豆類を摂取することから、ダイエットにつながらないことも。

ヴィーガン料理は健康の維持に有益ですが、摂取するカロリー量には注意が必要です。

・欠乏する栄養素がある

動物性の食材を摂取しないヴィーガン料理には、欠乏してしまう栄養があることを覚えておきましょう。

それがビタミンB12とビタミンDです。(※7・8)

この2つの栄養については、ヴィーガン料理だけではカバーできないことをヴィーガン協会も認めています。完全にヴィーガンを実践する人は、サプリメントで栄養を補給するケースもあります。

ヴィーガン料理を始める場合には、ご自身の健康の維持を第一に考えて、上手に取り入れるようにしましょう。

健康と環境のためにヴィーガン料理を始めましょう!

ヴィーガンという言葉が普及し始めた頃は、ヴィーガン料理はごく一部の人だけの食事でした。

現在は健康面におけるメリットや、急速に変わりゆく環境への対応として、ヴィーガン料理は世界的に普及しています。

アカデミー賞やオリンピックなど、人々の注目を浴びる場でも登場することが多くなったヴィーガン料理。私たちの未来の食と評されることもあります。

食材をマイナスにすることで、メリットをプラスにする。

そんなコンセプトで、無理なくヴィーガン料理を始めて見てください。

きっといつもの食卓にも、新鮮さを感じてくださるはずです。

【おすすめの認定講座】

オーガニック・ヴィーガン料理マスター資格認定講座

オーガニック・ヴィーガン料理とは、動物性の食品を一切使わない完全菜食の料理で、さらに有機栽培された野菜や穀物などを使って作る、健康的で地球環境にやさしい料理。

この講座では、ヴィーガンの歴史、理念、意義、種類、ヴィーガン料理のメリット・デメリットを理解して、バランスの良いそして自然環境に寄りそったヴィーガン料理法を学ぶ事が出来ます。

オーガニック・ヴィーガンスイーツマスター資格認定講座

オーガニック・ヴィーガンスイーツとは、動物性の食品を一切使わないスイーツで、さらに有機栽培された野菜や果物などを使って作る、健康的で地球環境にやさしいスイーツ。

この講座では、ヴィーガンスイーツについて、材料の選び方や作り方のコツ、お砂糖との付き合い方についてじっくり掘り下げて学んでいきます。​

​座学とデモが中心ですので、オンラインで受講してもしっかりと学ぶ事が出来ます。

オーガニック・マクロビ料理教室G-veggie

G-veggieはGrain(穀物)とVeggie(野菜)を合わせた造語で、人間にとって大切な2つの食べ物を、料理の中心にして自然に寄りそった生活をしていきたいという意味を込めました。

自然の生命エネルギーあふれる「オーガニック食材」と、日本の伝統的な健康食の集大成である「マクロビオティック」は、身体だけでなく心も健康になれる料理法です。 

バランスの良いオーガニック・マクロビ料理を実践して、美味しく食べて身体の中から健康でキレイになりましょう。

〒144-0031 東京都大田区東蒲田2-5-11

Tel : 03-6715-8772 / fax : 03-6733-8760

HP :https://g-veggie.com

Mail:info@g-veggie.com

<参考文献>

※1.The Vegan Society「Worldwide growth of veganism」

※2.垣本充・大谷ゆみこ著『完全採食があなたと地球を救う ヴィーガン』2020年,KKロングセラーズ刊

※3.NHK「パラ陸上の世界選手権が開幕 パリ五輪に向け試験運用へ

※4.アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)「Risk in red meat?」

※5.厚生労働省「+70gの野菜で食生活を見直そう!:チャプター1 | 啓発ツールまとめ | スマート・ライフ・プロジェクト」

※6.国連食糧農業機関(FAO)「Key facts and findings

※7.The Vegan Society「Bitamin B12」

※8.The Vegan Society「Bitamin D」

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